出産にまつわる不安や恐怖への向き合い方
あけましておめでとうございます。
箱根駅伝を見ながらブログを綴っていました。
今日は出産を目前に控えている方に向けて、こんな内容をお伝えしてみたいと思います。
12年助産師をやってきて、陣痛、出産の瞬間、帝王切開、産後、さまざまな場面を見てきました。
ずっとこんな仕事をしてきたので、他の人よりも出産にまつわることを知っている私ですが、
それでもやっぱり不安だし、怖いもの。
今日はそんな出産にまつわる不安や恐怖との向き合い方についてお話してみたいと思います。
そもそも陣痛ってどんなもの?
まず、陣痛がどれほど痛いものなのか、気になるところですね。
経験者から話を伺うと、下痢の時のようなお腹の痛みと表現されたり、生理痛の強い感じと言われたり、表現はさまざま。
陣痛は、はじめ10分間隔程度から始まり、徐々にお休みの間隔が縮まり、最終的には1〜2分間隔の陣痛に変化していきます。
初産婦さんであれば12時間程度、経産婦さんではその半分の6時間程度で出産にいたると言われています。
1回の陣痛の持続時間は40〜60秒程度、お腹全体がしっかりカチッと硬くなるのが有効な良い陣痛です。
はじめから強い陣痛が来るわけではなく、徐々に強くなっていくので、自身も痛みに慣れていくと言われています。
そして、出産間際になっても必ず陣痛と陣痛の間には必ずお休みはあるのです。
また、陣痛は赤ちゃん自身がおこしているともいわれています。
今から生まれるよ!という赤ちゃんの声を聞いて、
約10ヶ月の間、一緒に過ごしてきた子宮が、たくさんハグ(子宮収縮=陣痛)をして、
赤ちゃんを送り出そうとしている、と考えると、陣痛も愛おしく感じられるかもしれません。
βエンドルフィンの分泌による鎮痛効果
実は、人の身体には、痛みを乗り越えるための機能がちゃんと備わっています。
私たちが痛みや苦しさなど強いストレスを感じた時、脳下垂体からβエンドルフィンという物質が分泌されます。
このβエンドルフィンは、麻薬のモルヒネと同じ作用があり、痛みや不安を和らげる力があるといわれています。他にも、多幸感や陶酔感、高揚感や幸福感など、感じられる作用の表現が様々あります。
わかりやすいのが、ランナーズハイ。
マラソンをしていると、本当は心身ともに苦しいはずなのに、あるところから呼吸が楽に感じたり、体が軽くなったり、どこまでも走れそうな気持ち良い感覚に陥ることがあります。
この体験は、誰しもが体験できるものではなく、様々な要因が重なって、偶然にも体験できる特別なものといわれています。
そんな特別な体験が出産時にできる!と聞いたら、
どんな感覚だろう!?体験してみたい!と非常に興味が湧いてきます。
出産までの取り組みが自分を支えてくれる
これは私が今感じていることでもあります。
助産師として仕事をしてきて、妊娠に伴う身体の変化、それに伴う痛みや不調について、どうにかならないものかな、と学んできた中で、
妊娠中の身体づくりがとても重要であることがわかりました。
そのため、妊娠16週を待って、
ウィメンズヘルス分野に知見がある信頼するセラピストに依頼をして
週1回60分のトレーニングをしてきました。
妊婦向けトレーニングなので、そんなに激しい動きはなく、どちらかというと地味トレ。
仕事をしながらの取り組みだったので、思ったようにできない時もありましたが、
継続は力なり。
妊娠前よりも姿勢は整い、もちろん不調も回避、
お腹はどんどん大きくなるにも関わらず、軽やかに動ける自分に、自分がいちばん驚きました。
おかげで産休まで並の勤務をこなせたことも自信となりました。
この自信は出産時にも自分を支えてくれると思います。
一大イベントとして自分で自分を盛り上げる
痛みや不安が生じると、恐怖で緊張が生じます。そうするとさらに痛みを強く感じやすくなり、不安や恐怖が増して、より緊張する。
これはディック・リード理論です。
この連鎖をどこかで断ち切ることによって、過剰に痛みを感じさせなくすることができます。
そして緊張と呼吸は関連が強いです。
深い呼吸ができることによって、緊張を解くことができることは経験があると思います。
そこでおすすめのアイテムが、精油です。
香りを嗅ごうとすると、自然と深い呼吸ができると思います。
きたるその日を、陣痛による恐怖の日ではなく、楽しみとするために、
自分だけの特別なアロマブレンドを作ってもらうことで、自分の一大イベントとして盛り上げることにしました。この効果については出産後にまたお伝えしたいと思います。
まとめ
出産は正直痛みを伴います。無痛分娩であったとしても産後の痛みは経験します。
人間を1人、この世に産み出すわけなので、やっぱり大変です。
不安だし、怖いのは正直なところ。
でも人には痛みを乗り越えられる機能がちゃんと備わっていて、
出産までの取り組みによって自分で自分を支えることもできます。
もちろん、出産時には助産師や家族がそばに付き添いサポートしてくれるはずです。
わが子との対面の瞬間を楽しみに、その日を迎えられるといいですよね。