妊娠中の消化機能の低下とその対処法
こんにちは、現在妊娠中、助産師のマイです。
年末年始、美味しいものを食べすぎて、数日でググッと体重が増えてしまいました。
出産までに増えても良い体重が残り3.5kg・・・
あまり産道にお肉を付けすぎず、スルリと産みたいと思っている、今日この頃。
さて、今日は妊娠中の消化機能(胃や腸などの機能)についてお話ししてみたいと思います。
お腹も大きくなるので、胃も圧迫されるのですが、実はそれだけではないんですね。
普段の年末年始ならば、もう少し食べられたのになぁと思ったのですが、
やっぱり妊娠中は、消化機能が低下します。
妊娠中、胃腸の働きは鈍くなる
妊娠中は、プロゲステロンというホルモンの影響で、
消化管(胃や腸など)の蠕動運動(食べたものを消化するための胃や腸の運動)が低下します。
そのため、胃の内容物の排出が遅れたり、便秘などをきたしやすくなります。
私ももれなくその影響を受けました。
年末のごちそうや、年越しそばなどを例年通りに食べて、お腹いっぱいで非常に苦しくなりました。
改めて、消化機能が低下している妊婦の身体を学ぶことになりました。
また、妊婦さんは、食道の蠕動運動も低下し、胃の入り口部分の筋肉も緩み、
増大した子宮が胃を圧迫するために、胃の内容物が食道に逆流しやすくなります。
胃酸を含んだ消化途中の食べものが、食道に逆流すると、逆流性食道炎を起こし、
“むねやけ”を発症します。
妊婦健診で、そのような症状に悩む妊婦さんを度々見かけ、医師に薬の処方を依頼することがありました。
実は、半数の妊婦さんは、食道部の不快感、いわゆる“むねやけ”を妊娠後半期に訴えます。
他にも、ゲップ、胃もたれなども生じやすいです。
もちろん私も経験済み。
お正月期間は早々に、胃腸に優しい食事を求めて、お粥や野菜(キャベツなど)を食べました。
妊娠中の胃腸との付き合い方
主に食べ過ぎによって起きるので、
食べ物の種類や、摂取するタイミングを検討しましょう。
また寝るときの姿勢でも工夫できることがあります。
- 1回の食事の量を調整し、分割食にする(1日3回の食事→1回量を減らして、1日5回などに調整)
- 寝る3時間前までに食事を済ませる
- 高脂肪食、コーヒーやチョコレートなどにより誘発されやすいので、控え目にする
- 消化の良いものを摂取する
- 寝る時はクッションなどを利用して、少し頭を高めにして休む
- 食べた直後すぐ横にならない
ご自身の取り入れやすい方法から試してみてください。
また、症状についてかかりつけ医に相談して、薬を処方してもらうこともできます。
HELLP症候群との鑑別に注意!!
HELLP症候群(ヘルプしょうこうぐん、と読みます)というのは、
妊娠中期・後期の時期に発症するなかなか心配な妊婦さんがかかる疾患で、
妊娠高血圧症候群の軽症例でもみられるものでもあります。
『むねやけ』や『気持ち悪さ』『胃部不快感』『上腹部痛』『疲労感』『悪心・嘔吐』などが初期症状で、
48時間以内に発症し、妊娠を終結させることが治療となります。
あまり遭遇する疾患ではありませんが、
症状が持続する場合には、早めに、かかりつけ医に受診が必要です。
安易に妊娠中の消化機能の低下によるもの、と思い込みすぎないようにしましょう。
まとめ
美味しいものを目の前にすると、どうしてもいつものように食べたくなってしまうものです。
一度、自身で食べ過ぎた経験をして学ぶことになる妊婦さんも多いかもしれません。
食べ過ぎて、気持ち悪くなった時に、症状が軽快するまでに、いつもより時間を要します。
そして、ただの消化器症状じゃないケースもあるので、注意が必要です。
利用できる胃腸薬もありますが、安易に薬が使えない妊婦さんだからこそ、気をつけたいものです。
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