骨盤ベルト付けるのが正解だと思っていませんか?
妊娠中の腰痛=骨盤ベルト
産後の骨盤の開きや身体の回復=骨盤ベルト
産後=骨盤ベルトを締めるべき
と思っている方は多いのではないでしょうか。
もちろん、骨盤ベルトによって腰痛などのお悩みが解決する方もいらっしゃいますが、特に症状もなく安易に骨盤ベルトを装着することで逆にあなたの身体を支える機能を衰えさせてしまう可能性があります。
そして骨盤ベルトをずっと使い続けることによる弊害もあることをご存知でしょうか?
この記事では、
- どんな人に骨盤ベルトが必要なのか
- 骨盤ベルトの弊害
についてお伝えします。
骨盤ベルトが必要な方
骨盤ベルトが適応となる人は、妊娠中や産後に腰痛や恥骨痛、骨盤周りに異和感を感じたりなどの症状がある方です。特に症状もない場合は装着する必要はありません。妊娠中だから、産後だから、という理由だけで骨盤ベルトを装着するのは思わぬ弊害を生む可能性があります。
妊娠中の方
妊娠中に腰痛を自覚される方も多いのではないでしょうか。他にも股関節の不安定感や恥骨の痛みを生じる方もいます。このような場合に、骨盤ベルトを試し、症状が改善する場合は骨盤ベルトの適応と考えます。ただし、骨盤ベルトをしても症状が改善しない場合は装着部位が間違っているか、骨盤ベルトが合わない・適応ではない可能性があります。この場合は妊娠中の痛みなどを取り扱う専門のセラピストに相談されることをお勧めします。
産後の方
妊娠中に腰痛などを生じていた方は、産後に症状が回復する人もいれば、しばらく腰痛の症状を引きずる人もいるかもしれません。妊娠中と同様に、症状がある場合は骨盤ベルトの適応となります。骨盤ベルトを装着して症状が軽快する場合は適応ですが、そうでない場合はむやみに装着することはお勧めしません。身体ケアに詳しい助産師、もしくは産前産後の方を専門とするセラピストに相談されることをお勧めします。
骨盤ベルトの弊害
骨盤ベルトは骨盤を支えるためのものです。そもそも骨盤はベルトがなくても支えられており、その役目は骨盤周りの筋肉や靭帯が担っています。
しかし、妊娠中〜産後はリラキシンやプロゲステロンといわれるホルモンの作用で筋肉や靭帯、骨盤の関節が緩みやすくなることでその働きが低下し、その結果腰痛や恥骨痛、股関節周りの不安定感などを生じることがあります。またこの症状の出現には個人差があります。
そして、筋肉は使われないと衰えてしまうことは容易に想像ができると思います。
骨盤ベルトを装着するということは、ベルトで筋肉や靭帯の機能を補うということになるので、妊娠中〜産後にかけて腰痛などの症状がない場合にむやみに骨盤ベルトを装着すると、いずれ骨盤周りの筋力は衰えてしまいます。
ですので、症状があって骨盤ベルトを装着する人は、ただ装着していれば良いのではなく、骨盤周りの筋力トレーニングも合わせて行う必要があるのです。
正しい骨盤ベルトの付け方
骨盤ベルトは様々な種類が存在します。分娩施設によってはお産セットの中に使い捨ての簡易骨盤ベルトも含まれている施設もあります。
どれがいいとは一概に言えませんが、一ついえることは、適切な位置をサポートできるものであることです。
位置は、お尻の方から巻きますが、必ず大転子(腰骨の一番出っぱっている部分)と恥骨の前を通るように装着します。正しい位置に装着できると正しい姿勢がとれ、背筋が伸びる感覚があります。
商品によって若干装着方法も違うため、ぜひ骨盤ベルトを購入する際には正しい装着方法を教わりましょう。
骨盤ベルトの装着期間
妊娠中〜産後に分泌されるリラキシンは、産後数日で分泌が止まりますが、人によっては2ヶ月ほど効果が残るといわれています。またプロゲステロンは分娩時の胎盤娩出の後、一気に数値は低下します。
そのため、産後に腰痛や恥骨痛、股関節周りの不安定感がある場合、産後2ヶ月を目安に使用し、それ以上の長期の使用はあまりお勧めしません。
この産後約2ヶ月の期間、ゆっくり養生をしながら育児をして、自身の身体の回復に目を向けて骨盤周りの筋力を少しずつ回復させていく必要があります。
妊娠中〜産後に分泌されるリラキシンは、産後数日で分泌が止まりますが、人によっては2ヶ月ほど効果が残るといわれています。またプロゲステロンは分娩時の胎盤娩出の後、一気に数値は低下します。
そのため、産後に腰痛や恥骨痛、股関節周りの不安定感がある場合、産後2ヶ月を目安に使用し、それ以上の長期の使用はあまりお勧めしません。
この産後約2ヶ月の期間、ゆっくり養生をしながら育児をして、自身の身体の回復に目を向けて骨盤周りの筋力を少しずつ回復させていく必要があります。