お産を進める有効な陣痛
みなさん、こんにちは!助産師のマイです。
お外は、10年に1度の寒波が来そう、とのことで、
不要不急の外出は控えましょう、といわれていますね。
寒いのは嫌ですね。
赤ちゃんも寒いから、まだしばらくは、羊の湯(羊水のこと笑)♨️に浸かって、
なかなか外の世界へ出てこようとは思わないでしょうか👶
産まれてくるために必要な力、陣痛。
今日は陣痛についてお話ししてみます。
お腹の張り、前駆陣痛、陣痛のちがい
初めて産む方は、陣痛って、どのくらい痛いんだろう、と気になるところですね。
いつ産まれても良い、とされる時期になるまでは、あまりお腹を張らせたくないのですが…
お腹が張る、というのは、子宮の収縮で、
子宮が収縮しているときに、実際にお腹を触ると、お腹が硬くなっています。
ぎゅっとお腹が盛り上がる感覚を自覚される方もいるかもしれません。
このお腹の張りの程度が強くなってくると、痛みを伴います。
生理痛や腰痛、背中の痛みとして自覚される人もいますね。
出産を間近に控えている方は、寝る前や夜中に、張りに合わせて痛みを自覚される方もいます。
でも気づいたら、そのまま眠れてしまって、起きたら朝だった。これは前駆陣痛ですね。
この張りに合わせた痛みが、定期的に来はじめるようになると、陣痛となります。
お産を進めてくれる陣痛
ある程度の前駆陣痛でも、子宮の口を柔らかくほぐし、広げてくれるような作用もありますが、
やっぱり陣痛がないとお産は進みません。
「結構痛いので、進んでると思うんですけど」と入院してくる初産婦さん、
意外に進んでなくて、子宮口1cmなんていうこともあります。
なかなかつらいですね…
陣痛のスタートは、10分間隔(陣痛と陣痛の間のお休みが10分間)からになりますが、
お産が進んでくると、徐々にこの間隔は縮まります。
最終的には1〜2分間隔(陣痛と陣痛の間のお休みが1〜2分間)くらいまで縮まってきます。
実は、陣痛は、この間隔をみているだけではなく、
1回の陣痛がどのくらい持続するのか(陣痛の持続時間)、
子宮全体がしっかり硬くなっているほどの陣痛なのか(おでこの硬さくらい)、
という部分も助産師はチェックしています。
もちろん、序盤戦の陣痛は間隔もあり、陣痛自体も弱めですが、
お産の進みに合わせて、強くなってこないと、お産は進まないんですね。
助産師が指標にしている陣痛の強さに関する表をお見せします👇
子宮口4〜6cm | 子宮口7〜8cm | 子宮口9cm〜産まれるまで | |
平均的な陣痛周期 (陣痛の持続時間) | 3分 (70秒) | 2分30秒 (70秒) | 2分 (60秒) |
弱い陣痛 (陣痛の持続時間) | 6分30秒以上 (40秒より短い) | 6分以上 (40秒より短い) | 4分以上 (30秒より短い) |
強すぎる陣痛 (陣痛の持続時間) | 1〜30秒以内 (2分以上長い) | 1分以内 (2分以上長い) | 1分以内 (1分30秒以上長い) |
私の経験的(助産師としての)にも、子宮口の大きさに合わせて、だいたい平均的な陣痛周期で陣痛が来ていて、
1回の陣痛持続時間が40秒以上あれば、まずまず進んできます。
子宮口0〜3cmまでの指標はないのですが、
陣痛は10分間隔以内で徐々に縮まってきていて、陣痛持続時間もある程度の長さがあり、カチっと硬くなっていると、お産を進めてくれる、有効な陣痛といえそうです。
きっと助産師でも、陣痛中は自分でこんなことまで、みていられないでしょうね。
陣痛を増強させてくれるケア
陣痛促進剤を使用しなければ、よっぽど強すぎる陣痛になることはないと思いますが、
陣痛が弱くなる、という事象は度々遭遇します。
子宮も筋肉なので、母体が疲労してくると、陣痛は弱まります。
でも、完全に陣痛がおさまるわけではないので、地味に痛いのが続きます。
ですので、お産を進める力のある、実りある陣痛になるようにしていきたいところ。
どうしたらいいかを、以下に示します。
- 食べられるものを食べる(糖質・エネルギー補給で子宮筋の疲労を防ぐ)
- 歩く、立つ、スクワット、四つん這い、座位など体勢を変えてみる(動くことで子宮の収縮を促す)
- お風呂に入る、シャワーを浴びる、足浴(身体を温めることで血行がよくなり、リラックスすることで陣痛が強まる)
- 三陰交(さんいんこう、安産のツボといわれています)を押す、温める(←くるぶしまで覆える靴下、レッグウォーマーを使用)
- 乳頭マッサージ(乳頭・乳輪の刺激でオキシトシンの分泌を促す)
どうしても陣痛が強まらず、時間がかかるケースの場合は陣痛促進剤(オキシトシンなど)の使用も考慮されますが、
少しのケア介入で陣痛が強まりだすこともあります。
勤務している時にみていた産婦さんで、おにぎりを食べた後や、シャワーや足浴をした後から徐々に陣痛が強まってきた、ということがありました!
出産後も陣痛がある
産んだら陣痛は終わり!と思われがちですが、産んだ後も陣痛はあります。
後陣痛(こうじんつう)といわれるもので、出産後、子宮が元に戻る(縮まる)際に痛みを伴います。
痛いんですが、子宮が縮まらないと出血が止まらないので、必要な事象ではあります。
出産直後に子宮収縮を促す目的で、子宮収縮剤(オキシトシンなど)を点滴に混ぜて投与することがあり、キューっとお腹が痛んだりします。
他にも授乳中や授乳直後、トイレに行った後に子宮収縮が促されてキューっと傷んだりします。
経産婦さんにより強くあらわれる傾向がありますね(初産婦さんは痛みを訴える人が少ないかも)。
痛みが強かったりする場合は、痛み止めも使えますし、お腹を少し温めると和らぐことがあります。
まとめ
初めて陣痛を経験される方は、どんなものなのか気になりますね。
強烈な便秘のときのお腹の痛み、
生理痛の強いバージョン、
などと表現される方がいました。
中にはもっと強いと思っていたから、案外大丈夫だった!なんていう人も。
陣痛はだんだん強くはなりますが、出産直前になっても、必ずお休みがあるもの。
リラックスしてのぞみましょうね。
そしてそして、冷えは大敵なので、この大寒波、暖かくして、過ごしましょう!