気になる!?会陰切開や会陰マッサージについて パート②
こんにちは!助産師のマイです。前回はおもに会陰切開についてのお話をしました。
今日は、気になる会陰マッサージについてお話していきたいと思います。
実は外国の人の場合、夫に行ってもらうこともあるという会陰マッサージ。
確かにお腹も大きくなってくる時期に、自分ではやりにくい部分もあるかもしれませんが、
性に対して恥ずかしい気持ちが先行する日本人には考えにくいですね。
さて本題です。
会陰組織に柔らかさがあると、内診も痛くない
会陰マッサージは、会陰表面だけが伸びれば良いと言うわけではありません。
前回の記事でも書いたように、出産時、赤ちゃんの頭が降りてくる時には、あの狭い産道を、膣や骨盤底筋を押し広げて、伸ばして、降りてくるわけです。
出産間際の時期には、ホルモンの影響もあって組織(軟産道)は熟し柔らかくなる性質もあります。
しかし、人によってはこの部分に硬さがある場合もあります。
軟産道に硬さがある場合はどうしても伸びにくく、傷ができやすいですし、赤ちゃんが産まれてくるのにも時間を要します。そして内診時にも痛みを感じやすいです。
この部分を実際に自分の手でほぐす方法もありますが、抵抗がある場合は、
着衣のまま、柔らかい小さなボールや、丸めたタオルや結び目を作ったタオルをお股の下に置いて踏んで、お股の筋肉をほぐす方法があります。
妊娠後期に入ると、健診で内診をすることが増えてきます。
その時にもし痛みを伴う場合は、セルフケアとして試してみる価値はあります。
会陰マッサージは筋肉の特徴を知っておく
会陰マッサージを取り組む上で、筋肉の特徴を知っていることが必要です。
筋肉を効果的にゆるませ伸びやすくするにはどうしたら良いか。
筋肉は緊張していると伸びにくい性質があります。
これは陣痛中もそうで、痛みを生じている時に体をこわばらせて緊張させていると筋肉は緩みにくくなります。
そのため陣痛中はできるだけリラックスして過ごすことが大事といわれています。
会陰マッサージの時も同じで、リラックスした状態で、痛みを感じないようにゆっくりと行う必要があります。
むやみに力任せに、それこそ痛みを我慢して行ってしまうと、筋肉は縮まる性質があるので逆効果です。
実際の方法は、清潔な手で潤滑油を取り、指(自分でやるなら利き手の親指がやりやすい)を膣口から2〜3cm入れて、膣口を広げるように、1方向ずつ、いろんな方向に圧迫するのが良いとされます。
そして圧迫する時はゆっくりと時間をかけます、1方向に30秒くらい時間をかけます。
グリグリとはしませんし、U字のように指を滑らせて動かしたりはしません。
お風呂上がりやリラックスしてゆっくり時間が確保できるような時に、行ってみましょう。家に誰かがいてやりにくい時には1人の時間に取り組むのもオススメです。
もちろん自身の爪で粘膜を傷つけないように気をつけます。
もし詳しく知りたい方は個人的にお教えします!
骨盤底筋に働きかけることができる呼吸
会陰マッサージなのに、呼吸?と思われた人もいると思います。
実は、骨盤底筋と横隔膜の動きは連動します。
筋肉は緩むことも縮まることも両方しなやかにできることが良いとされます。
骨盤底筋も同様で、緩むことも縮むこともできると機能的に働くことができます。
実際に、座った状態で、ゆっくりと深い深呼吸をすると、息を吸った時は会陰が座面を押す感覚がわかると思います。逆に、息を吐いた時は座面から会陰が離れる感覚がわかると思います。
実際にお股を触らなくても、ゆっくり深呼吸することで骨盤底筋を動かしていくことも有効です。
またゆっくりとした呼吸は副交感神経も優位にすることができるため、リラックス効果も生みます。
ヨガやピラティスをしている人は、このあたりが自然にできますね。
会陰マッサージに取り組む気持ちが大切
先日もお伝えしたように、会陰はビヨーンと伸びる組織ではありません。
しかし、その組織が最大限伸びるようにセルフケアを行うことで、伸びるであろう最大限を引き出すことはできます。
会陰マッサージをしながら、
ここから赤ちゃんが産まれてくるんだな、
陣痛がきて、赤ちゃんはここを押し広げて、通って産まれてくるんだ、とイメージトレーニングをする。
私は、自分で自分を慈しむ時間だと思っています。
何か出産に向けて取り組んでいることがあるということは、
出産に向けて不安と恐怖で押しつぶされそうな自分を支え、
出産時の自分を支えくれるのではないかとも思っています。
まとめ
2つの記事にわたって会陰切開・会陰マッサージについてお話してきました。
実際にやる、やらないは個人の自由ですが、
出産までに自分で自分をケアする。
そんな時間を持つことは、会陰マッサージに限らず、妊娠中とても大切だと思っています。