妊婦さんのお役立ち情報

産んだら、腰痛はすぐ良くなるの?

mai

みなさん、こんにちは!助産師のマイです。

37週になり、お腹もパンパン・パツパツに大きくなってきましたが、

腰痛などの不調もなく過ごせているので、ありがたいところです。

産科で仕事をしていると、

妊婦さんが腰痛をはじめとした不調の訴えをよく聞きます。

それに対して「出産したら楽になるからね!」という返事をされることも少なくないです。

確かに、時間の経過とともに、自然に軽快するケースもありますが、

出産を終えれば、スッキリすぐに、軽快する、ワケではないんですよね。

実は、気をつけないと、その腰痛はそのまま引きずることになったり、

慣れない育児に熱中するあまり、より悪化したり、不調が増えたりすることも…

今日は産後に気をつけたい姿勢についてお伝えします。

助産師セラピストまい
助産師セラピストまい

出産直後の身体について

まず、出産直後の身体の状態について説明します。

産んだら、スッキリ、元の体に戻る、と思われがちですが、

実はそんなことはありません。

10ヶ月かけて変化してきた身体は、出産を終えたとしても、急激に元に戻ることはないんですね。

それこそ身体の回復には6〜8週間は要します。

そして出産直後は、

骨盤の関節も緩んで、不安定感を感じ

骨盤底筋もダメージを受けて、働きにくくなり

赤ちゃんを育てるために伸びた腹筋も伸びた状態で、腹筋も効きにくい状態

さらに出産後は出血もしているため、その量によっては貧血になる人もいます。

傷もあって痛みも伴う人もいるでしょう。

出産直後は、いちばんダメージが大きいタイミングなんです。

そして、そのような状態の中、育児が始まるわけですね。

入院中に教えてもらえない!?姿勢について

初めて出産をするママは、とても大変です。

出産後の入院期間(だいたい3〜5日間)の中で、最低限の育児を覚えていく必要があるので、

ゆっくりも休んでいられないんですね。

授乳、おっぱいのケア、ミルクの作り方や量の調整、おむつ替え、沐浴やスキンケア、お着替え、泣いた時のあやし方などなど…細かくあげればキリがないです。

本当は身体も休めて欲しい時期に、お世話を覚えなくてはいけないので、必死です。

もちろん、指導する助産師も、退院するまでに最低限は、できるようになってもらいたいので、その方に合わせて、試行錯誤しながら、なんとか指導をしています。

ですので、実際のところ育児指導で時間オーバー。

5日間の入院期間で赤ちゃんの特徴をつかみ、育児を覚えることで手一杯で、

ママ自身も育児指導の内容でキャパオーバー。

肝心な姿勢や身体ケアの話までやりきれないことが多いのです。

育児で注意したい姿勢について

育児に熱中するあまり、自分の身体に目が向きにくいこの時期。

出産前にあらかじめ知識として知っておくことで、ご自身の身体を守ることにつながります。

また、産後数日は、まだリラキシンという関節や靭帯を緩めるホルモンが分泌され、その影響は産後2ヶ月程度継続します。

ですので、無理な姿勢をとって負担をかけると、不調につながりやすい時期です。

ぜひ、育児を学びつつも、ご自身の身体・姿勢にも意識を向けて、労わっていきましょう。

①授乳時の姿勢

どうしても背中が丸まり、猫背・巻き肩になりやすい授乳姿勢。

1日に8回以上は行う授乳なので、この姿勢が継続されると、絶対に肩こり・腰痛を生じます。

授乳クッションやタオルを使って高さ調整し、

ママのお尻の下にも畳んだバスタオルを敷いて骨盤を立てます(こうすると背中は丸まりにくくなります)。

自分のおっぱいを赤ちゃんに寄せてくわえさせるのではなく、おっぱいに赤ちゃんを近寄せて授乳します

②抱っこの姿勢

抱っこは、姿勢を気をつけないと、妊娠中と変わらず腰痛を生じる上、腱鞘炎になることもあります。

抱っこをする時は、ママの胸の辺りで抱き、背骨をまっすぐに意識します。

バランスをとるためにお腹を突き出して腰を反ったり、片側の手のみで抱っこし続けて、ママの片側の腰に体重を乗せるのも楽そうに見えて実は身体にはよくありません。

左側右側と交互に抱っこする両手の抱っこも併用する手首で支えず肘の近くで支える抱っこ紐を活用する。※抱っこ紐もご自身の体格に合うものを使用し、正しく使用しないと不調の原因になるので注意です!

③おむつ替えなどの時の姿勢

体幹や背骨を過度に曲げて、かがんでおむつ替えをしているママが多いですが、それをしていると絶対腰痛になります。

股関節から腰を折り、体幹や背骨を曲げてかがまないようにしましょう

ベッドの高さを調整し、腰をかがめなくても良いようにしたり、

もし床で行う際は、正座になり、股関節から曲げるようにした体勢で、おむつ替えしてみましょう

まとめ

姿勢を気をつけることは、慣れないうちは面倒に思われがちですが、

比較的正しい姿勢が取れるようになると、

身体の機能を無理なく使えるようになるので、不調が出にくいのです。

ダラっとした姿勢を取り続けると、一見楽そうに見えますが、

実は不調につながり、痛みが出たりするので、気をつけたいところです。

少し意識するだけでも変わってくると思いますので、頭の片隅にでも覚えておきましょう。

もし不調や痛みが改善しないときは、我慢せず、産前産後の身体ケアができるセラピストに相談してみると良いですよ。

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山田麻衣
山田麻衣
アドバンス助産師/セラピスト
2024年4月にサロンをオープンしました! 2022年2月に出産した娘の育児に奮闘しています。 ブログでは妊娠中〜産後の、それ知りたかった!お役立ち情報や、私の妊娠中・産後を発信しています。
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