妊娠中の貧血対策
みなさん、こんにちは!助産師のマイです。
さすがに、妊娠38週、急勾配の坂道の散歩は息切れしますね。
昨日、上質な海苔を求めて買い物に出かけましたら、お店が定休日で…
急遽、予定変更し、うどん屋さんまで歩くことにしたところ、急な坂道で息切れしました。
やっぱり、38週妊婦、心肺機能には負荷がかかっていることを実感しました。
きっとコレ貧血だとより息切れするんですよね。
出産では少なからず出血するので、妊娠中の貧血対策って重要です!
今日は妊娠中の貧血対策についてお伝えします。
どうして妊娠中に貧血になりやすいの?
妊娠中、妊婦さんの血液量は増えるんですね。
それは、まず赤ちゃんの発育のため(鉄を供給)です。
でも、単純に血液量が増えるのではなく、水増しの状態で増えるので、結果的に血液が薄まる状態になるんです(妊娠に伴い、血球量の増加もしますが、それを上回る血漿量の増加で生理的水血症となるので、貧血になりやすいのです)。
これはだいたい30〜50%の妊婦さんに認められます。
貧血はゆっくり進行するので、無症状のことも多いですが、
高度の貧血の場合は、動いた時に息切れや動悸がする人もいるでしょう。
だから、妊婦健診の中で、採血をして貧血がないか調べます。
一応ボーダーラインは、
ヘモグロビン(Hb)11.0g/dl未満、および
ヘマトクリット(Hct、Ht)33%未満。
これを下回る場合を妊娠性貧血といいます。
そのうち、鉄欠乏が確認されるものを『鉄欠乏性貧血』といいます。
鉄欠乏性貧血は妊娠時の貧血の約9割をしめています。
妊娠中の貧血対策
妊婦健診の中で、貧血で、鉄剤を処方されたり、鉄剤の点滴を受ける人もいるのではないでしょうか。
もちろん、妊娠中の貧血の改善も目的にしていますが、
ヘモグロビン(Hb)値が8.5g/dl以下の場合、出産時の多量出血のリスク因子となるんです。
そして、どうしても出産時は出血をともなうので、だいたいの人が産後、貧血傾向になります。
産後に貧血の状態では、育児も大変です(フラフラ、クタクタに…)。
ですので、できるだけ、妊娠中から貧血対策をしておきたいところ。
食事から充分な量を摂取できればいいのですが、なかなか難しいもの。
実は、妊娠中に鉄分を含む食事を多く摂取することで貧血が予防できるという十分な根拠がありません。
さらに、貧血のない妊婦さんに対して、鉄サプリメント摂取の効果を調べたランダム化比較試験の結果で、50mgの鉄サプリメントを毎日摂取した群では、コントロール群に比べ、低体重児や高血圧の増加が認められ、有害事象を引き起こす可能性が報告されています。
ですので、貧血がない妊婦さんの、鉄サプリメントの常用は推奨されません。やはり、過剰な摂取は良くないんですね。
ですので、採血結果に問題がなかった方は、低量の鉄サプリメントなどを活用して対策をしておきましょう。
低量の鉄サプリメントを毎日摂取することは、胃腸への副作用が少なく、貧血治療に効果的である可能性が示されています。
もちろん、貧血に対して、薬が処方されている方は、しっかり内服を継続しましょう!
まとめ
やたらめたら、サプリメントを飲めばいい、というわけではないのですね。
鉄サプリメントの摂取は万能ではなく、便秘や胃部不快感などの副作用を引き起こす可能性があります。
サプリメントは正しい知識をもって、用法容量を守って活用したいですね。
私は、1日3食の食事を楽しみながら(体重増加に注意しつつ、バランスを考えながら、食べたいものを食べる!)、低量の鉄サプリメントとマルチビタミンを飲んで対策しています。
出産時や産後の自分の健康を守るために、賢くサプリメントを活用したいですね。
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