妊娠中の息苦しさ解消法
こんにちは、現在妊娠34週、助産師のマイです。
年末年始、みなさん、どのように過ごされたでしょうか。
クリスマスの時期からお正月まで、美味しいものの誘惑に囲まれて、体重が激増となっている妊婦さんもいるのではないでしょうか。
体重増加にドキっとしながらも、徐々に大きくなってくるお腹に愛おしさを感じながら、
合わせて生活のしづらさも感じてくることもあると思います。
その中でも“息苦しさ”は、地味に辛いもの。
今日はそんな妊婦さんの息苦しさの解消法についてお伝えしていきたいと思います。
妊婦さんの息苦しさは何で起こるのか
実は、正常妊娠において、65〜70%の方が妊娠中に息切れや息苦しさを感じるといわれています。
子宮が増大する前にすでに息苦しさを自覚される妊婦さんもいますが、
子宮の増大に伴って、息苦しさを自覚するも多いように思います。
子宮が大きくなってくると、横隔膜の位置が4cm上昇します。
また、肋骨も横に2cm広がって、肋骨の一番下側の骨もより横に広げて(胸囲が6cm増加します)、赤ちゃんのスペースを作っていきます。この変化、実は子宮が大きくなってくるよりも前から起きてくるといわれています。
妊娠中に必要な変化なのですが、どうしても胸式呼吸に移行する傾向となります。
そして、妊娠中は、基礎代謝と体表面積の増加によって、約20%酸素消費量が増加します。
また妊娠中は、プロゲステロンというホルモンの影響で、血液中の二酸化炭素濃度を察知するセンサーが敏感になります。
二酸化炭素濃度が上がると息苦しく感じて、身体に呼吸が要求され、息が切れます。
このように、妊娠中は、様々な変化が起こり、今までの呼吸運動と比べて変化します。
妊婦さんは大変ですね。
息苦しさの解消法
息苦しさは日常生活において苦痛です。
特に就寝時には穏やかな呼吸ができないとスムーズに入眠できないもの。
寝苦しさを自覚されている妊婦さんもいるのではないでしょうか。
そんな時に行って欲しいのが、意識的に行う深呼吸です。
肋骨の一番下の部分に、肋骨を前後覆うように手を当てて(親指が背中側、残りの4指は前側に)、
覆っている手を肋骨で押すように呼吸します。
ポイントは覆っている手を、前後左右同じくらい押せるように、肋骨を広げる意識で呼吸すること。
そうすると、横隔膜をしっかり使った腹式呼吸が促されて、深い呼吸ができます。
そしてしっかり息をはいてみましょう。
この呼吸を数回繰り返していると、徐々に息苦しさは軽減されていきます。
深い呼吸で副交感神経も優位になり、気持ちよく入眠することができます。
さらに、この深い呼吸は、出産時、パニックになる自分を落ち着けてくれる可能性もあります。
息苦しさを感じた時のお助けアイテム
それでもまだ呼吸が落ち着かない、という時には精油を利用するのもオススメです。
妊娠時期によって使える精油の種類に制限はありますが、
ご自身の求める香りで、
穏やかな呼吸を促してくれるような機能のあるものを使ってみるのもいいかもしれません。
まとめ
今日は妊娠中の息苦しさ、その解消法についてお伝えしました。
妊婦さんって幸せそうなイメージがありますが、
生活上での苦痛が多いのも事実。
少しでも心地よく過ごせるように、正しい知識をもって、セルフケアしていきたいですね。