気になる!?会陰切開や会陰マッサージについて パート①
こんにちは、助産師のマイです。先日より産休をいただきました。
週数は33週に入ります。
この時期になると出産が間近に迫ってきて、あと4週もしたらいつ生まれてもいい時期なのだなと、まだ先だと思っていたことが少し先の出来事になり緊張してくるもの。
陣痛ってどのくらい痛いんだろう・・・
破水ってどんな感じ?気付けるのかな?
会陰切開(えいんせっかい)って痛そう・・・できるなら避けたい。など
助産師として多くの出産に立ち会い、お手伝いしてきた私も、正直なところ頑張り切れるか心配でもあります。
今日はその中でも、よく質問に出る、会陰切開や会陰マッサージについてお話ししていきたいと思います。
会陰切開って何のためにするの?
まず会陰ってどこの部分をいうのか、そこから説明します。
会陰は、ちょうど膣と肛門の間の部分にある、長さ3〜5cmの部分のスペース。
経膣分娩(膣から赤ちゃんを産む方法)の場合、頭を先頭にして生まれてくるわけですが、
赤ちゃんは頭が一番大きいといわれています(頭の周囲が30cm弱)。
そんな大きな頭が通過して生まれてくるので膣も大きく引き伸ばされ、会陰も引き延ばされるわけです。
人によってはうまく膣も会陰も伸びて、傷もできず出産に至る場合もありますが、
赤ちゃんが大きかったり、赤ちゃんの頭の向きが正常な回り方ではなかったり、
出産時の赤ちゃんやママの状態によっては緊急事態で出産を急ぐ(急速遂娩と言って、急いで分娩するために、吸引分娩や鉗子分娩、クリステレル圧迫法などを行うケース)場合は、
多少伸びたとしても、どうしても膣や会陰に傷ができてしまうことがあります。
そんな時に、会陰を切開して赤ちゃんの出口を広げて、出やすくするために会陰切開を行います。
会陰切開は、母体の体を守るために行うとも言われています。
慣習的に理由なく会陰切開をするのは良くないと思いますが、
自然に切れる傷はどうしてもイビツになりがち。
会陰組織が経過とともに薄く伸びて少し切れる程度であればいいですが、
場合によっては大きく、いろんな方向に裂けるケースもあり、
出産後の傷の縫合に長時間要したり(お股を開いた姿勢で1時間近く傷の縫合が行われることも)、
産後に椅子に座るのが辛かったり、お股が痛くて普通に歩けなかったり、
直腸まで切れてしまって膣から便が出てきてしまう状態になったり(もちろん、医師がしっかり縫合してくれます)、
会陰ではなく尿道口付近に傷が入るとトイレするときにしみたりすることもあります。
そんなケースを見ていると、切れても比較的支障が少ない部分を切開し、出産をスムーズにしてくれる可能性がある会陰切開は必要な場合もあると言えます。
想像するだけでお股が痛くなりますね・・・
もちろん助産師は、できるだけ傷が少なくて済むように、会陰を保護する技術を学んで実施し、
会陰切開した方がいいかどうかを総合的に判断して、産婦人科医に依頼するわけです。
会陰って伸びるの?
もちろん局所麻酔をして会陰切開をするのですが、
実際陣痛がきている最中では、会陰切開を気づかないママがほとんどです。むしろ早く産みたいので切ってくださいと言う人もいました。
でも、今妊娠中の方であれば、できるだけ会陰切開を避けたいのが本音ですね。
さて、会陰はどの程度伸びるのか・・・
よく考えてみてください、
もし膣や会陰、骨盤底筋が伸びてしまう状態なら、この妊娠期間、赤ちゃんを子宮内にとどめて置けない状態になりますね。それこそ子宮脱、腹腔内臓器脱などを生じてしまう。
実は会陰周りの組織を詳しく見ていくと、あまり伸びないようにできているのですね。
結論は、会陰組織は、ある程度は伸びる組織ですが、そんなにビヨーンと伸びる組織ではないということです。
会陰マッサージは実施する意味がある
そうなると、会陰マッサージは意味ないんですか?となりますよね・・・
でも会陰マッサージは全く意味がないわけではありません。
自分の会陰組織の伸びを最大限に活かすためにできることはあります。
そして妊娠中から地道にケアを行う必要があります。
出産時の状況によっては、やむを得ず会陰切開が必要な状況となる可能性もありますが、
ケアを行っておくことによるメリットはあります。
まとめ
出産を控える女性にとって気になる、会陰切開や会陰マッサージについてお話ししてきました。
出産の状況によっては必要となる会陰切開。
慣習的に行う会陰切開は良くないですが、
ちゃんと実施する理由があって行う会陰切開であれば納得できるもの。
出産時に付き添ってくれる助産師はあなたを総合的に見て判断してくれるはずです。
でも医療者に全て委ねすぎるのではなく、自分の体は自分で守る・ケアする認識は忘れたくないもの。
産休に入り時間もできたので、私もそろそろ自分へのケアとして始めてみようかなと思っています。
少し長くなってきましたので、具体的な内容はまた次回に!