安産のためにできること
みなさん、こんにちは!助産師のマイです。
久しぶりに、職場の上司と連絡を取りましたら、
普段からは想像もできないオペ件数をこなしていて、
驚きながらも、時として、産科って、急にそういう事態になることもあるな、と思い出しました。
日本では、妊娠〜出産〜産後は、順調にいくことがほとんど。
産科ってほんわかしていて、赤ちゃんもいて、基本穏やかな空気が流れているのですが、
時として、その顔色を変え、一寸先が読めない事態になることもあります。
もちろん産院では、母体も胎児も両方の安全を考えて動いていて、
その時々で、医師や助産師の適切な判断が求められます。
でもやっぱり安産に向かうには、産む本人の意識も大切だなと思うので、妊婦脳の私への警告の意味もふまえて、安産のためにできることを助産師目線でお伝えします。
ちょっと今日は長めです💦
入院のタイミングの判断
まずは、入院のタイミング。
かかりつけの産院で、このあたりは指導されているところがほとんどですが、
この判断を妊婦さん自身がする必要があるので、重要です。
受診・入院のタイミングは、
①陣痛の開始
②破水
③生理2日目くらいの出血
④胎動減少
①陣痛の開始は、1時間に6回の陣痛 または 10分間隔の陣痛になったときから。
ですので、自宅で1時間くらい経過をみて、判断します。
経産婦の場合は、15分間隔の陣痛で連絡するように指示される産院が多いですね。
あまり早々に入院しても、陣痛がおさまってしまうケースもあるので、考えものですが、
自宅で経過をみ過ぎて、我慢しすぎて、移動中に産まれそうになったり、
病院に到着できても、陣痛で動けなくなったりすることもあるので、注意です。
きっちり10分間隔で陣痛が始まるわけでもないのです。
突然7〜8分間隔、5分間隔、などと短いスパンで陣痛が開始する人もいます。
もし、5分以内で陣痛が来はじめていたら、躊躇せず産院へ連絡し、向かいましょう。
判断ができない場合は、まず産院に電話!
妊婦さん自身で電話すること。
助産師は、その声色や、息づかい、痛む場所などから、お産の進行を判断しています。
②破水は、明らかにわかる時と、わかりにくい破水があります。
破水の場合、赤ちゃんや母体への感染の影響があります。
大体の産院が、破水後、感染兆候が悪化する前に産むこと目指します。
破水後3日以内くらいまでには産みたいので、
破水したその日は自然経過で様子を見ても、翌日以降、陣痛が無い状態であれば、分娩誘発(薬で陣痛を起こす)をする産院が多いですね。
この時点で、発熱や、採血データなどで感染兆候の悪化が見られる場合は、母体・胎児の状況を鑑みて個別の判断が行われます。帝王切開で産みましょうということもあります。
うっかり、翌日やあさってが健診だから、そこまで様子見よう!なんていう妊婦さんがいますが、
破水の場合は、すぐ受診する必要があるので、気をつけましょう。
③出血は、生理2日目ほどの量の多めの出血の場合は病院への受診が必要です。
出血が多い時は、何かしら異常がある可能性があります。
胎盤が剥がれて出血している場合、命に関わるので、注意です。
おしるし(ドロっとした赤い鼻水みたいなもので、少量であることが多い)であれば経過をみます。
おしるしがあってから、すぐ陣痛が始まる人もいれば、2日〜2週間後に陣痛が開始するという人も。
④胎動減少の時は、赤ちゃんの健康状態に問題がある可能性があるので、受診の必要があります。
自宅で胎動カウントをしてみて、赤ちゃんが10回動くまでに、かかる時間が30分以内であればOK。そうでない場合は産院に連絡します。
産院ではNST(赤ちゃんの心音を調べる機械)を装着し、実際の赤ちゃんの元気度を調べます。
入院・受診の判断は妊婦さんに委ねられます。
ご自身での判断がしづらい場合は、遠慮なく産院に連絡をとりましょう。
実際、何度も産院と連絡をとりながら、何度もフライング入院しながら、出産するものです。
入院してからできること
産院に着いたら、ひと安心でしょうか。
でも、ベッドにずっと寝ている状態では、進むものも進まないことがあります。
その時の状況にもよるので、助産師と相談ですが、
やっぱりアクティブに動く産婦さんの方が、早く産まれる傾向にあります。
立位で腰を振ってみたり、歩いてみたり、スクワット、
前屈みの座位(アクティブチェアーに座る)、
大きなクッションにもたれ四つん這い、
しゃがみ込む姿勢などなど。
その時に動きたい体勢をとってみるといいです。
赤ちゃんがうまく骨盤に入り込んで、回旋(かいせん、赤ちゃんはお腹の中を周り産まれてきます)できるように、母体がこまめに体勢を変えることで、進みやすくなります。
骨盤の入口面(母体の頭側)を広げる体勢、出口部(会陰側)を広げる体勢、赤ちゃんの回旋を促す体勢など、
助産師はそのあたりを判断して、進みやすい体勢を教えてくれるので、聞いてみましょう。
とはいえ、休息と活動のバランスは大事。
疲れたら、思い切って横になって寝てみるのもOK。
あとは糖質・エネルギー補給。
絶飲食の指示がないようなら、
陣痛間欠時(陣痛のお休みの間)をねらって、食べれるものを食べます。
子宮も筋肉。疲労してくると、陣痛は弱まります。
陣痛が弱くなると、産み出す力は弱まるので、陣痛で痛いわりに、時間だけかかり、なかなか産まれない、進まないなんてことも。
実りある陣痛にするためには、飲み・食べることが必要です。
そして、3〜4時間おきに、こまめにトイレへ行くこと。
赤ちゃんの出てくる産道近くには、膀胱と直腸があります。
溜まっていては、赤ちゃんも出にくい。
また、産後のトイレのトラブルにつながることもあるので、こまめに出しておきたいところ。
家族ができること
家族は、いつ出産になっても良い時期になったら、
禁酒、いつでも連絡が取れるようにしておくこと。
いつ入院になるかわからないですし、
場合によっては、産院に緊急呼び出しをされるケースだってあります。
母子の命より大切な仕事なんて、無いはず。
また、付き添いができる産院であれば、ぜひ付き添いましょう。
助産師や医師は専門家ですが、
やっぱり妊婦がいちばん信頼を寄せる家族がそばにいることって、大事なんです。
有名な幸せホルモンのオキシトシン
実は陣痛促進剤として使われるのも『オキシトシン』
オキシトシンの分泌を高めるために、ご家族の役割は大きいと考えています。
オキシトシンの分泌を高めるために、タッチング、マッサージ、声をかけてそばに付き添う、など家族ができることはたくさんありますね。
まとめ
今日は伝えたいことが多くて、長くなりました💦
今でこそオンライン教室が普及してきていますが、
いまだコロナで母親教室や両親学級が中止となっている産院もあり、
このあたりを知らない妊婦さんもいるのではないか、と熱がこもってしまいました。
出産までの道のりは、長く感じるタイミングもあると思います。
でも必ずゴールは来ます。
『1つ陣痛を乗り越えるごとに、赤ちゃんに会えるときは確実に近づいている!!』
そんな意識で、乗り越えていきたいですね。
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